共感される文章とは、読者から「その気持ち分かる」と思われる文章です。
共感されると、読者から親近感を抱いてもらえます。
人は、親近感を抱いた人の話に耳を傾けます。
もし、母子家庭への社会保障制度を充実させる法案を訴えるなら、母子家庭経験者の議員が訴えるほうが支持を得ることでしょう。
「私も母子家庭です。国の制度には以前から不満がありました」と。
同じように母子家庭への社会保障を訴えるのでも、経験者から訴えたほうが共感されます。
読者と同じ経験や立場で書くことで、心理的な距離を縮められるのです。
読者に共感される文章を書くには、読者を理解しなくてはいけません。
そのためには、読者と同じ経験や生活をするのが一番です。
化粧品のセールスレターを書くときは女装する、という人がいます。
女装することで、女性の気持ちが多少なりとも理解でき、セールスレターの出来が変わってくるそうです。
俳優の妻夫木聡は、映画「悪人」の役作りのため、金髪姿で土木作業や解体業のアルバイト をしました。
役と同じ経験をすることで気持ちが理解でき、演技に磨きがかかるそうです。
文章も演技も同じです。
相手を理解できなければ、共感される文章は書けません。
共感される文章は、頭では書けません。
今までの経験や体験が、文章ににじみ出てくるのです。
熱意は、手間とスピードで伝わります。
文章も、手間とスピートで熱意を伝えられます。
まずは手間について説明しましょう。
私の知る方にニュースレターを手書きする人がいます。
文字やイラストを手書きするのは大変な手間です。
それだけ、想いを込めて書いているというのが伝わってきます。
バレンタインには、本命に渡すチョコが手作りされます。
手作りすることで「熱」を表現しているのです。
手間をかけるのは、それだけ熱意があるという表れなのです。
最近では便利な道具が増えたため、手間をかける人が少なくなりました。
だからこそ、手間をかけた贈り物や手紙がより喜ばれるのです。
続いては、スピードについて説明します。
仕事をお願いして、締め切りよりも早く仕上げてくる人には熱意があります。
レスポンスの速さは、熱意の表れです。
初めて会った翌日に「本日はありがとうございました」と、お礼のハガキが届けば驚かれます。
それが、2,3日後に「昨日はありがとうございました」では驚かれません。
「本日」と「昨日」では、比べものにならないほど差があるのです。
同じ行動でも、早いか遅いかで印象は大きく変わります。
人は、スピードで熱意を感じる生き物なのです。
同じハガキを送るのでも、手間やスピードのあるものは人を感動させます。
コピーライティングは、うまく書けばいいというものではありません。
文章が多少下手でも、熱意があれば人の心を動かすことができるのです。
紙質を変えることで触感による情報伝達が可能になります。
良質な紙であれば、見た目も良くなります。
私が会社に勤めていたときの話です。
大規模なイベントをする際に、高級和紙で案内を送っていました。
イベントの趣旨からも、高級和紙が合っていたからです。
結果、600人もの人を動員することができました。
紙質を変えることでメッセージ性を強くしたり、重要性を強調できます。
紙も無言のメッセージを発しているのです。
感情は、行動を描写して表現します。
「私は、理不尽な態度に怒りを覚えた」と書くよりも、
「あまりにも理不尽な態度に、私は拳を強く握りしめ、相手を睨みつけた」と書くほうが、感情や情景を想像させます。
感情はそのまま書くのではなく、行動で表現するのです。
文章を書く際、自分がどんな立ち位置かは重要です。
教える立場なのか、それともフレンドリーな立場なのか。
立場によって、文体を変えていきます。
また、会社のイメージによっても、文体を変えていきます。
医療関係の会社であれば、真面目な文体が良いでしょう。
雑貨や美容室なら、フレンドリーな文体がウケるでしょう。
自分はお客様からどう見られたいのか、どういう立場にいるのか、それらを考慮して文体を決めてください。
同じ言葉でも、ひらがな、カタカナ、漢字では受ける印象が違います。
たとえば
「綺麗」「きれい」「キレイ」は、同じでも意味でも印象が違います。
「簡単」「かんたん」「カンタン」では、カタカナの方が簡単そうです。
「馬鹿」「ばか」「バカ」でも印象はすいぶんと違います。
私個人としては、ひらがなの「ばか」と女性に言われてみたいものです。
このように、同じ言葉でも印象が変わります。
状況や伝えたいイメージによって使い分けるようにしましょう。
語尾には「だ・である」調と、「です・ます」調があります。
上記の2つは、あくまでも基本です。
ほかにも語尾に「ね」を使ったり、方言を使うこともできます。
語尾の使い方でずいぶん印象が変わります。
「好きな夏の果物と言ったらスイカだ」
「好きな夏の果物と言ったらスイカです」
「好きな夏の果物と言ったらスイカですね」
「好きな夏の果物と言ったらスイカじゃけん」(広島弁)
と、語尾の使い方で印象が変わってきます。
丁寧に何かを伝える文章なら、「です・ます」調。
上から何かを教える文章なら、「だ・である」調。
お客様が地元の人であれば、方言を使うのもありです。
自分のスタイルや読者に合わせて語尾を決めるといいでしょう。
実は、私はガンダムが大好きです。
ファーストガンダムから、最近のガンダムUCまですべて見ています。
特に、Wガンダムが大好きです。(デュオ・マックスウェルの大ファンです)
ガンダムだけではなく、エヴァンゲリオンやコードギアスなども大好きです。
ロボット系以外には、鋼の錬金術師、イヴの時間なども好きです。
基本、私はアニメ好きです。結構多くのアニメを知っています。
いかかですか?
今の自己開示で、親近感を抱いた人もいるのではないでしょうか。
同じような趣味を持っていたり、出身地が同じなだけで、人は親近感を抱くものです。
私は、私と同じガンダム好き(特にWが好き)な人とは、すぐに気が合います。
自己開示しなければ、親近感を抱かれることはありません。
文章中に、自己開示している箇所があるだけで、すいぶんと人間味のある文章になります。
人は「なに」をしているかより、「なぜ」しているかに興味を抱きます。
「なに」にこだわっているのかだけではなく、「なぜ」こだわっているのか。
「なに」を目的に事業をしているのかだけではなく、「なぜ」それを目的にしたのか。
この「なぜ」が大事なのです。
私の実体験を1つ紹介します。以前、あるホテルに宿泊した際の話です。
フロントでチェックインをしていると、募金箱が置いてありました。
「当ホテルでは○○国に寄付をしています。寄付にご協力ください」とだけ書かれていました。
募金活動自体は悪いことではありませんし、賞賛されるものです。
しかし、私は疑問を持ちました。
「なぜ、寄付をしようと思ったのか?」「なぜ、その国なのか?」
「なぜ、寄付という手段を選んだのか?」
私はホテルの募金活動に、まったく共感しなかったのです。
私ならこう書きます。
「私は以前、○○国に行きました。○○国は、内戦が続き人々は貧困に苦しんでいます。衛生状態も悪く衣食住がままならない状態です。
現在、私どもはホテル業を営んでいます。ホテル業に携わる者として、できることはないかと考えました。その結論として○○国の人たちに休まる家を提供することを思い立ちました。この活動に共感されましたら、募金活動にご協力ください」
このほうがずっと共感できます。
このように、人は「なに」ではなく「なぜ」に共感します。
「なに」と「なぜ」はセットで語るものなのです。
フォントは、メッセージ性によって使い分けます。
たとえば 寿司であれば筆字、
若い女性客向けメッセージなら丸文字、というふうに使い分けます。
フォントの使い方で、印象は大きく変わります。
メッセージと一貫したフォントを使うことで、強い印象を与えます。
私も以前は、「フォントの違いでは、大差はないだろう」と思っていました。
しかし、フォントで文章全体の読みやすさやデザイン、そしてメッセージ性が変わることを体験し、考え方が変わりました。
今では、いいフォントがないかと、ときどき探しているぐらいです。
文字をどう見せるかも大切な表現手法なのです。
「ありがとう」は魔法の言葉です。
「ありがとう」があるだけで、愛情を感じます。
新幹線や飛行機に乗った際に、英語でアナウンスが流れます。
アナウンスの最後は必ず「サンキュー」と流れます。
最後に「サンキュー」と流れるだけで印象が違ってきます。
文章でも同じことが言えます。
文章の最後を感謝の言葉で締めるようにします。
「お力沿いに感謝しております」
「いつも、ありがとうございます」
「最後まで、お読みいただきありがとうございます」
感謝の言葉があるだけで気持ち良くなります。
ぜひ、最後に感謝の言葉を書き加えてみてください。