■アニメ『おそ松さん』から学ぶ、個性的な文章を書く秘訣


 

 

「個性的な文章を書けるようになりたい」。
このような願望を抱いている人もいるでしょう。

私からの助言は、「型にはまった文章を書きましょう」です。文章の世界には、たくさんの「型」があります。起承転結、5W1H、序破急をはじめ、セールスコピーには、PASONAの法則、QUESTの法則、AIDMAの法則もあります。エッセイにはエッセイの型もあり、目的に応じて選ぶといいでしょう。

「でも、型にはまった文章を書いていたら個性的な文章にならないのでは?」と思う方もいるかもしれません。それは誤解です。

少し話はそれますが、アニメ『おそ松さん』を見ましたか?
おそ松さんは六つ子のため、顔がほとんど同じです。服装も色違いのものを着ているだけなので、はじめは、誰が誰なのか見分けがつきません。それが回を追うごとに段々とキャラの違いがわかるようになってきます。全話見た人なら、絵を見ただけでキャラを言い当てられるでしょう。

顔も服もほとんど同じだけれど、キャラ(個性)の違いがわかる。これは大切な教訓です。

「日本人は、型にはまり過ぎて個性がない」といった言説を時々耳にします。これは間違っています。型にはめてもなお滲み出てくるのが個性なのです。

文章を例に説明しましょう。
たとえば、同じ読者に向けて、同じタイトル、同じ構成、同じ見出しを条件に、100人に文章を書かせたとします。ここまで型にはめて書かせても、同じ文章は上がってきません。ここに出てくるのが個性なのです。画一的な型にはめればはめるほど、個性のみが浮き上がってきます(というか、個性しか出せない)。型を外してしまうと、かえってその人の個性が捉えられなくなります。

まずは型にはまって個性を見出し、個性に合わせて徐々に型を破っていく。そして最後は、自分の個性に合った独自の型を見出していく。これが個性を伸ばす正しい手順です。昔から言われる「守・破・離」ですね。自分の個性がまだ分からないうちから「離」をしても、個性を伸ばすことはできません。

個性的な文章を書けるようになりたければ、とにかく型に沿って書いて、憧れている作家(毎回同じ構成で書く作家)の文章を書写してください。私もはじめは型にはめて書き、憧れる作家の本を5冊書写しました。これをしたお陰で、自分の個性が何となく見えてきたのです。ぜひ、個性を伸ばすためにも、型にはめて文章を書いてください。



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